こちらの記事では、ビカクシダ(コウモリラン)「ヒリー」の育て方(栽培方法)や特徴、夏場と冬場の管理方法についてまとめています。
ヒリーの分類や学名などの基本情報や、「自生地となる原産国・生育タイプ・適正気温・水やり頻度」など解説しているので、参考にしてください。
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植物によって様々な育成方法や個体差などがあるため、記事内の品種を「自分はこんな育て方してるよ!」などのコメントお待ちしています。
自慢の株の写真なども載せて頂いて構いません。
もし、記事内の育成方法や情報に間違いがありましたらご指摘お願いします。
ヒリーの基本情報
ヒリーの分類や学名
分類 | ・植物界 シダ植物門 シダ綱 ウラボシ目 ウラボシ科 ビカクシダ属 |
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学名 | ・Platycerium hillii ・P.hillii (プラティケリウム ヒリー) |
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和名 (生産地名) | ・ヒリー | |
自生地 | ・オーストラリア、南アメリカ | |
生育タイプ | ・春夏秋型 | |
適正気温 | ・20~30℃ | |
水やり※1 |
春 | 子株:土や水苔がやや乾いて1~2日に一度 大株:土や水苔がやや乾いて2~4日に一度 |
夏 | 子株:土や水苔がやや乾いて1~2日に一度 大株:土や水苔がやや乾いて1~3日に一度 |
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秋 | 子株:土や水苔がやや乾いて1~2日に一度 大株:土や水苔がやや乾いて2~4日に一度 |
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冬 | 子株:土や水苔がやや乾いて2~4日に一度 大株:土や水苔がやや乾いて3~5日に一度 |
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成体の大きさ※2 | ・70~100cm | |
好む光量※3 | ・10,000~50,000ルクス |
- ※1:地域や環境(鉢・用土・気温・風通し・照度)で変動
- ※2:日本実生~現地株
- ※3:株の大きさ・根の張り具合による
植物の分類法【目・科・属・種】とは?
- 界(かい):植物であるという意味で、植物か動物かという最上位の区分
- 門(もん):植物は裸子植物か被子植物のどちらかに分類され、植物であればどちらかに該当する
- 綱(こう):単子葉植物か双子葉植物の違いで、芽が1枚で出るか双葉で出てくるかの違い
- 目(もく):植物は必ず分類されており、二つと同じものは無い
- 科(か):植物の種類が似た形になり、人間に例えると親戚に当たる
- 属(ぞく)・種(しゅ):人間に例えると名字や名前
植物は上記の分類法で、界から属まで細かく別れています。
更に、異種のものを組み合わせた植物は「ハイブリッド(hybrid)」と言い、和語や漢字にする場合は「かけあわせ」、「交配」、「雑種」、「混血」、「まぜあわせ」、「混成」などといった言葉になります。
ヒリーとは何?
ヒリーの特徴
ビカクシダ(コウモリラン)の「ヒリー」は、貯水葉の切れ込みが浅く、胞子葉は長く伸びず幅広になっているのが特徴です。
ビカクシダの中でも比較的育てるのが簡単なので、初心者の方でも育てやすい品種になります。
ヒリーの希少価値・相場価格
希少価値 | 相場価格 | |
親株 | ★★★★★ | ・5,000円~ |
子株 | ★★★★★ | ・1,000円~ |
※株の大きさ・形・販売場所によって変動
「ヒリー」は日本国内で普及しており、それほど高価な品種ではないので入手しやすいです。
購入する際は、葉(胞子葉)の量や貯水葉が緑色をしており、元気な個体を選ぶと良いでしょう。
ヒリーの自生地(国)
「ヒリー」は、ビカクシダ原種18種類のうちの一つで、オセアニア系に分類されておりオーストラリアや南アメリカに自生しています。
ですが、現在流通しているヒリーは、ほとんどが日本で育てられた個体になります。
ヒリーの成長速度
「ヒリー」の成長速度は比較的早く、葉が増えるほど光合成効率が上がり、成長速度がどんどん早くなります。
特に25~30℃前後の夏場などは、成長速度が加速するので水やり2~3回おきに液体肥料を与えると、更に効率良く育てることができます。
▼ハイポネックス (液体肥料)
ヒリーの育て方・管理方法
生育タイプ
「ヒリー」は春夏秋型タイプで、寒い冬場以外は元気に育ちます。
▼夏場の管理方法
日本の真夏の東日は非常に強いので、屋外管理をすると葉焼けするリスクがある点に注意しましょう。
また、屋内管理から屋外管理に移行した際は、最初の1~2週間は遮光ネットなどで徐々に日差しへの耐性を付けていくと日焼けする可能性を下げられます。
▼冬場の管理方法
ビカクシダは温暖な地域に自生しているので、日本の冬場は室内もしくは温室で管理するのがおすすめです。
15℃以下で成長が緩やかになり、0℃(氷点下)になると凍結して枯れる危険性があるので注意しましょう。
屋外管理する際は、絶対に雪や霜に当たらないようにしましょう。
▼室内のLEDライト管理が安全
ヒリーを葉焼けさせずに安全に育てたい場合は、室内でLEDライトを当てて育てるのがおすすめです。
必要な光量・置き場所
「ヒリー」は年間を通して、直射日光を避けて明るく風通しの良い場所に置きましょう。
▼日焼け対策
- 置き場所を変える時の光量差に気をつける
- 徐々に光の強度を上げる
- 夏場は環境に合わせて遮光する
日焼けや徒長対策を行う際は「照度計(光度計)」があると便利です。
最低でも10万ルクス以上計測できる測定器を選びましょう。
水やりのタイミング・与える量
「ヒリー」の水やり頻度は、株の大きさや育成環境によるので一概に言えません。
ヒリーが子株のうちは、水苔や土が常に湿っているように水やりをしましょう。
株が大きくなるにつれて、多少乾燥させるように水やりの緩急をつけることで、現地と似た環境にして健康に育てることができます。
▼水やりは地域によって違う
「ヒリー」だけでなく、ほとんどのビカクシダ(観葉植物)に言えることですが、水やりのタイミングは「育てる環境の場所(日当たり・風通し・気温)」、そして北海道や沖縄などの地域によって変化します。
水苔や鉢内の水分量が心配な方は、割り箸など差して湿っていないか確認してみましょう。
私は「散水チェッカー」を使って、どのぐらい水分が残っているのか確認しています。
▼水やりのポイント
「ヒリー」に水を与える時のポイントは、鉢管理であれば鉢底から水が出てくるまでたっぷりあげ、水苔管理であれば水苔がしっかりと吸水するまであげましょう。
板付けをしている場合は、桶などに水苔が浸かるぐらい水を溜めて、板ごと浸けると水苔の中央まで水が浸透させるようにしましょう。
▼成長点に水を残さない
ビカクシダは、成長点に水が貯まると腐って枯れてしまうことがあります。
そのため、水やりや霧吹きをする際は成長点に水が残らないようにしましょう。
もし、成長点に水が入った場合は「ティッシュ」などで吸い上げると良いでしょう。
葉が枯れた時の対処方法と原因
▼ビカクシダの葉が枯れる原因
- 寿命
- 葉焼け
- 水不足
- 根腐れ
ビカクシダ「ヒリー」の葉が焼ける原因は様々あり、基本的に葉が枯れた場合は復活することはありません。
枯れた後は徐々に葉が落ちていき、胞子葉が枯れた際は美観を整えるためにカットしても問題ありません。
また、貯水葉が枯れた際は茶色くなっても水分や養分を蓄える(蒸散させない)役割があるので取り除かないようにしましょう。
▼根腐れに注意
ビカクシダが根腐れをおこすと、株全体が枯れてしまうことがあります。
ビカクシダが根腐れする原因のほとんどが「水のやりすぎ」「風通しが悪い」「数日経っても土や水苔が乾かない」です。
つまり、根腐れの対策として常に風を循環させておくことが重要なので、扇風機やサーキュレーターで24時間、風を動かしておきましょう。
おすすめの用土・水苔
ビカクシダは、上記の水やりや風通しをしっかりしていても、用土や水苔によって良くも悪くもなります。
▼観葉植物や多肉植物におすすめの土
▼水苔
水苔は臭いがするタイプが多いですが、上記の水苔はほどんど臭いが無く、バラけにくいのでおすすめです。
おすすめの肥料
「ヒリー」には、緩効性の肥料を水苔や用土に混ぜ込んでおき、生長期は水やり2~3回おきに液体肥料を与えるのがおすすめです。
▼マグアンプK (緩効性肥料)
▼ハイポネックス (液体肥料)
植え替え・板付けの時期・タイミング
「ヒリー」の植え替えや板付けをするおすすめの時期は、生育が活発になる春・夏・秋がおすすめです。
逆に冬場の寒い時期は、根の活動が緩やかになるので本調子に戻るまで時間がかかってしまいます。
▼植え替えのタイミング
ビカクシダは植え替え時に弱りやすいので、多くても1~2年に1回の植え替えがおすすめです。
板付けをしている場合は、3~5年ほど付けていても良いでしょう。
ヒリーの増やし方
- 株分け (子分け)
- 胞子から発芽させる
ビカクシダ「ヒリー」は、株分けか胞子を使って増やすことができます。
増やす作業は、植え替えなどに最適な5〜10月の生長期に気温が20℃以上ある日がおすすすめです。
1、ヒリーの株分け(子分け)
ビカクシダ「ヒリー」の株分けとは、親株と子株を切り分けて株を増やす方法です。
ビカクシダの株分け方法は、親株から分岐している子株の葉が10cm以上で3枚以上になったら、バランスよく根を切り取って鉢や水苔に植えつけましょう。。
▼株分けの注意点
ヒリーを株分けする際は、成長点(リゾーム)を傷つけないように注意しましょう。
そして株分けした後は、弱っている状態なので1ヶ月ほど明るい日陰で管理するようにしましょう。
2、ヒリーを胞子から発芽させる
ヒリーが大きく成長してきたら、胞子から増やすことが可能です。
胞子葉1枚からでも数百から数千の胞子が取れるので、成功すれば大量の苗を作ることができます。
ヒリーのよくある質問
ヒリーの耐寒性は?
ヒリーは、オセアニア周辺に自生していることから、暑さに強く寒さや蒸れに弱い傾向にあります。
他のビカクシダ同様に「5℃以下」になるのは避けましょう。
屋外管理などで0度以下になると、凍結して根や葉が凍結する可能性があるので注意が必要です。
ヒリーはいつ休眠する?
ヒリーは気温が10度以下になると成長が鈍りますが、完全に成長が止まっている訳ではないので水やりと光が必要です。
翌年の暖かくなる春に向けてエネルギーを蓄えている状態なので、休眠期の時にしっかりと光を当てておくと、立派な葉に成長してくれます。
ヒリーを休眠させない方法
ビカクシダの休眠は、時期ではなく気温によって行うので、冬場でも気温を20~30度に保っていれば休眠させずに成長を促すことができます。
ヒリーの耐暑性は?
ヒリーの耐暑性は、他のビカクシダ同様に「35℃以上」になるのは避けましょう。
特に、水やりをした後に気温が35℃を超えた状態で日光が当たると、水温は40℃を超えていると考えた方が良いです。
鉢で管理する場合は、熱の逃げ場が無く鉢内温度が上がるので注意しましょう。
メルカリでも購入可能
「ヒリー」は、メルカリなど販売されています。
まだメルカリを行ったことがない方は、「WFWZFT」の招待コードを入力するとポイントが貰えるので、この機会に始めてみてください。
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LEDライトでも育つ?
ヒリーは、LEDライトでも元気に育ちます。
特に冬場や梅雨時期などは、太陽光が雲がかって光合成不足となる可能性があるので、LEDライトがあると天気に左右されること無く育てることができます。
LEDライトで葉焼けする?
LEDライトと植物の距離が近すぎると葉焼けをすることがあります。
また、長時間当てすぎてしまうと日光と同じように葉焼けをしてしまう可能性があるので、LEDライトの照射距離や時間などを調整して育てていきましょう。
ビカクシダを外で育てられる?
ビカクシダは日当たりの良い場所を好みますが、直射日光に当たると葉焼けを起こします。
そのため、直射日光の当たらない明るい日陰や、遮光ネットなどで光を調整して育てるのがポイントです。
ビカクシダとコウモリランの違い
ビカクシダとコウモリランの違いはなく、呼び方が違うだけです。
どちらも同じ植物であり、葉の形が鹿の角に似ていることでビカクシダと名付けられ、垂れ下がる葉がコウモリの羽のように見えることからコウモリランとも呼ばれています。
ビカクシダの風水効果は?
ビカクシダは「良縁を引き寄せる」風水効果があります。
長く伸びる葉や丸い貯水葉の形から、対人運UP、良縁を引き寄せる効果があると言われています。
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人気ビカクシダの育て方・管理方法
原種18種類 (東南アジア系) | |
リドレイ | グランデ |
コロナリウム | ワンダエ |
ホルタミー | ワリチー |
原種18種類 (オセアニア系) |
|
ビフルカツム | ウィリンキー |
ヒリー | ベイチー |
スパーバム | ーーー |
原種18種類 (アフリカ・マダガスカル系) |
|
マダガスカリエンセ | エレファントティス |
アルシコルネ | エリシー |
ステマリア | クアドリディコトマム |
原種18種類 (アフリカ・マダガスカル系) |
|
アンディナム | ーーー |
品種改良・交配種 |
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ネザーランド | |
希少品種(高価な品種) |
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ギンカ(銀華) | ジェニー |
ペドロタツタ | セルソタツタ |
ジェイドガール | バクテリア |
金童(ゴールデンボーイ) | 迦具夜(カグヤ) |
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