こちらの記事では、アガベのフィリフェラ「ピンキー(王妃笹の雪A型白覆輪斑)」の育て方(栽培方法)や、特徴についてまとめています。
ピンキーの分類や学名などの基本情報や、「自生地となる原産国・生育タイプ・適正気温・水やり頻度」など解説しているので、参考にしてください。
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植物によって様々な育成方法や個体差などがあるため、記事内の品種を「自分はこんな育て方してるよ!」などのコメントお待ちしています。
自慢の株の写真なども載せて頂いて構いません。
もし、記事内の育成方法や情報に間違いがありましたらご指摘お願いします。
ピンキーの基本情報
ピンキーの分類や学名
分類 | ・キジカクシ目 キジカクシ科 リュウゼツラン属(アガベ) |
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学名 | ・Agave filifera pinky (アガベ フィリフェラ ピンキー) |
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和名 (生産地名) | ・ピンキー ・王妃笹の雪A型 白覆輪斑 |
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自生地 | ・メキシコ | |
生育タイプ | ・夏型 | |
適正気温 | ・20~30℃ | |
水やり※1 |
春 | 子株:土が乾いて2~4日に一度 大株:土が乾いて2~7日に一度 |
夏 | 子株:土が乾いて1~3日に一度 大株:土が乾いて2~5日に一度 |
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秋 | 子株:土が乾いて2~4日に一度 大株:土が乾いて2~7日に一度 |
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冬 | 子株:土が乾いて2~7日に一度 大株:土が乾いて3~10日に一度 |
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成体の大きさ※2 | ・5~10cm | |
好む光量※3 | ・30,000~100,000ルクス | |
受粉方法 | ・他家受粉 |
- ※1:地域や環境(鉢・用土・気温・風通し・照度)で変動
- ※2:国内栽培~現地株・ナーセリー
- ※3:株の大きさ・根の張り具合による
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植物の分類法【目・科・属・種】とは?
- 界(かい):植物であるという意味で、植物か動物かという最上位の区分
- 門(もん):植物は裸子植物か被子植物のどちらかに分類され、植物であればどちらかに該当する
- 綱(こう):単子葉植物か双子葉植物の違いで、芽が1枚で出るか双葉で出てくるかの違い
- 目(もく):植物は必ず分類されており、二つと同じものは無い
- 科(か):植物の種類が似た形になり、人間に例えると親戚に当たる
- 属(ぞく)・種(しゅ):人間に例えると名字や名前
植物は上記の分類法で、界から属まで細かく別れています。
更に、異種のものを組み合わせた植物は「ハイブリッド(hybrid)」と言い、和語や漢字にする場合は「かけあわせ」、「交配」、「雑種」、「混血」、「まぜあわせ」、「混成」などといった言葉になります。
ピンキーとは何?
ピンキーの特徴
「ピンキー」とは、アガベ最高峰の品種と言われており、全アガベの中でもトップクラスの希少価値をほこります。
ピンキーが成長しても十数センチまでしか大きくならず、「斑入り品種」で葉緑素が少ないため非常に成長速度が遅いです。
元より一生に一度しか花が咲かないと言われるアガベですが、ピンキーの花を見た人はまだこの世にいないと言われています。
▼元は2株のみ日本へ入ってきた
ピンキーは、ワシントン条約前にアメリカ(メキシコ)から日本に2株のみ入ってきたと言われており、現在流通しているピンキーは、この2株から子株として生まれた「クローン株」になります。
▼ピンキーの偽物が多い
ピンキーはアガベ最高峰と言われるだけあって高価です。
希少価値の高い品種なだけあって、ピンキーの偽物がフリマサイトに多く出回っています。
希少品種を持ちたい気持ちも分かりますが、「白覆輪(外斑)の面積が少ない」のは、偽物あるいは白覆輪無しの個体と血筋が近いです。
園芸は自己満足の世界ですが、正規品種を購入する方が大事に育てられるかと思います。
▼似ている品種がある
A型(斑無し) | B型 | C型 | D型・桃太郎? |
「王妃笹の雪A型 白覆輪ピンキー」には、A型・B型・C型・D型があります。
D型の真偽は不明ですが「桃太郎」と同一という声もあり、その他にはアガベ初心者では見分けにくい「吉祥冠錦」「王妃雷神錦」「スナグルトゥース」「氷山」などもあります。
ピンキーの希少価値・相場価格
希少価値 | 相場価格 | |
現地株 (ナーセリー) |
★★★★★ | ・親株:??? ・子株:??? |
国産株 (実生株・カキコ) |
★★★★★ | ・親株:250,000円~ ・子株1cm:30,000円~ ・子株3cm:60,000円~ |
※株の大きさ・形・販売場所によって変動
▼ピンキーの現地株
ピンキーはメキシコに自生していると言われていますが、ワシントン条約によって採取することは不可能でしょう。
▼ピンキーの国産株
ピンキーの国産株もあまり流通しておらず、1cmほどの大きさでも3万円以上が相場です。
フリマサイトには、斑の入り方が少ない偽物?が多く出回っているので、購入する際は注意しましょう。
ピンキーの自生地(国)
「ピンキー」は、メキシコに自生していると言われています。
ピンキーの成長速度
「ピンキー」の成長速度は、1年間で葉が1~2枚ほど展開するぐらいで非常に遅いです。
水やりや日光対策を怠ると株が徒長する原因となるので注意しましょう。
ピンキーの育て方・管理方法
生育タイプ
「ピンキー」は夏型タイプですが、日本の真夏の東日は非常に強いので、日焼けするリスクがある点に注意しましょう。
ピンキーは、他のアガベと比較すると強光に対して強くも弱くもないので、葉の健康状態を見ながら光量を調整する必要があります。
▶夏場の管理方法 | ▶冬場の管理方法 |
必要な光量・置き場所
「ピンキー」は年間を通して、日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。
屋外管理だと日焼けするリスクがあるので、ある程度大きくなるまで室内管理でLEDに当てて育てるのをおすすめします。
▼日焼け対策
- 置き場所を変える時の光量差に気をつける
- 徐々に光線の強度を上げる
- 夏場は環境に合わせて遮光する
日焼けや徒長対策を行う際は「照度計(光度計)」があると便利です。
最低でも10万ルクス以上計測できる測定器を選びましょう。
水やりのタイミング・与える量
「ピンキー」の水やり頻度は、株の大きさや育成環境によるので一概に言えません。
ですが、アガベなどの多肉植物は鉢内の土が1~3日で乾くような配合にして、鉢の中の土(表面のみ×)が乾いて1~3日前後にあげるのがベストです。
夏場などは蒸れによって「根腐れ」する可能性を減らすために水やり間隔を開けたり、冬場の休眠期は水を吸収しにくいので子株の場合は1~2週間、大株の場合は1~2ヶ月の間、水をあげなくて良いです。
▼水やりは地域によって違う
「ピンキー」だけでなく、ほとんどのアガベ(観葉植物)に言えることですが、水やりのタイミングは「育てる環境の場所(日当たり・風通し・気温)」、そして北海道や沖縄などの地域によって変化します。
鉢内の水分量が心配な方は、鉢に割り箸など差して湿っていないか確認しましょう。
私は「散水チェッカー」を使って、どのぐらい水分が残っているのか確認しています。
▼水やりのポイント
「ピンキー」に水を与える時のポイントは、鉢底から水が出てくるまでたっぷりあげましょう。
また、成長点の排水性が悪いため、あまり葉に水をかけないほうが良いでしょう。
▼水やりのポイント2
ピンキーを植え替えた後は、水を与えないようにしましょう。
笹の雪系統の根は他のアガベより神経質なので、植え替え後すぐに水を与えると一気に腐りが入ってしまいます。
▼こまめな霧吹きは不要
基本的にアガベには霧吹きは不要で、乾燥気味に育てるのが重要です。
霧吹きをすることによって土が乾きにくくなり、根腐れの原因となるので注意しましょう。
枯れや根腐れの原因と対策
アガベが枯れたと言われる原因のほとんどが、鉢内の土が蒸れることによる根腐れです。
ほとんどの根腐れとなる原因は、「水のやりすぎ」「風通しが悪い」「土が乾かない」です。
つまり、根腐れの対策として常に風を循環させておくことが重要なので、扇風機やサーキュレーターで24時間、風を当てておくのがおすすめです。
おすすめの用土
上記の水やりや風通しをしっかりしていても、用土によって良くも悪くもなります。
アガベは、鉢内に水が溜まって蒸れると根腐れの原因となるので、水捌けの良い土に植えるのがおすすめです。
土の配合が良くわからないという方は、まずは観葉植物用の土に植えてあげましょう。
▼観葉植物や多肉植物におすすめの土
アガベが子株のうちは保水性が重要となるので、種まき用の保水力が高い用土がおすすめです。
▼種まき向けの用土
おすすめの肥料
「ピンキー」には、緩効性の肥料を用土に混ぜ込んでおき、生長期は1ヶ月に1~2回ほど液体肥料を与えるのがおすすめです。
▼マグアンプK (緩効性肥料)
▼ハイポネックス (液体肥料)
植え替え(鉢変え)の時期・タイミング
「ピンキー」の植え替えは、生育が活発になる春や秋がおすすめです。
逆に夏場は根を痛める可能性があり、冬場に休眠する品種は新しい土に慣れずに枯れてしまう可能性があります。
▼植え替えのタイミング
アガベは植え替え時に弱りやすいので、2~3年に1回の植え替えがおすすめです。
植え替えをする際は株のサイズにもよりますが、本体から1~2cm大きいサイズに植え替えするのがベストです。
上記で解説している通り、植え替え後は子株でも3日以上、親株なら2~3週間は水を与えなくて良いです。
笹の雪系統は下葉から変色して根腐れや枯れやすく、水やりをしすぎると変色が止まらず一気に本体まで死んでしまいます。
▼根の状況で鉢のサイズを変える
「子株(脇芽)」などの、根っこが未熟なうちは吸水力が弱いので小さめの鉢にしましょう。
根っこが少ない状態で、鉢内の水分量が多いと根腐れの原因となるので注意しましょう。
ピンキーの増やし方
- 子吹き(カキコ)
- 胴切り
- 縦割り (縦斬り)
- 他家受粉
基本的にアガベは根元から子株が出て来るので、大きさが2~3cm程になってから親株から切り離し、増やす方法が一般的です。
その他にも「胴切り」や「縦割り(縦斬り)」などの方法で子株を強制的に吹かせる方法があります。
他家受粉で増やすこともできるのですが、アガベは一生に一度しか花が咲かないと言われており、花が咲くまで数年から数十年かかります。
▼アガベの増やし方
アガベを増やすには「胴切り・縦割り」などの方法があるので、増殖方法の詳細は下記の記事を参考にして下さい。
▶アガベの増やし方一覧 | ▶胴切りや縦割り方法 |
種まき(播種)のやり方・おすすめの時期
▼ピンキーの種まきのやり方
「ピンキー」の種子はほぼ目にする機会がありませんが、もしあれば一般的な種まきのやり方で行いましょう。
注意点として、発芽後の1年間は日焼けしないように、適度な遮光場所がおすすめです。
▼ピンキーの種まき時期
ピンキーの種まきにおすすめの時期は、他の観葉植物同様に「春や秋」など気温が落ち着いている時期がおすすめです。
▼苗ポット
この苗ポットは、1個12穴付きで使い勝手が良かったです。
ポット上部にある通気孔を調整して、湿度を簡単に変えられる優れた苗ポットなのでおすすめです。
ピンキーのよくある質問
ピンキーの耐寒性は?
ピンキーは、他の品種と同じく耐寒性はあまりないと考えられるため、他のアガベ同様に「5℃以下」になるのは避けましょう。
屋外管理などで0度以下になると、凍結して根っこが凍死する可能性があるので注意が必要です。
野菜の冷凍をイメージすると分かりやすいのですが、凍結すると葉の中の水分が膨張して細胞が壊れ、その後解凍すると水分によってグジュグジュになるので、冷害には注意しましょう。
ピンキーはいつ休眠する?
ピンキーは気温が10度以下になると成長が鈍り、5度以下になると休眠に入りますが、完全に成長が止まっている訳ではないので多少の水やりが必要です。
翌年の暖かくなる春に向けてエネルギーを蓄えている状態なので、休眠期の時にしっかりと光を当てておくと、立派な鋸歯や肉厚な葉に成長してくれます。
ピンキーを休眠させない方法
アガベの休眠は、時期ではなく気温によって行うので、冬場でも気温を20~30度に保っていれば休眠させずに成長を促すことができます。
ピンキーの耐暑性は?
ピンキーの耐暑性は、他のアガベ同様に「35℃以上」になるのは避けましょう。
特に、水やりをした後に気温が35℃を超えた状態で日光が当たると、水温は40℃を超えていると考えた方が良いです。
観葉植物は小さな容器に入れることが多いので、熱の逃げ場が無く鉢内温度が上がるので注意しましょう。
メルカリでも購入可能
「ピンキー」は、メルカリなど販売されています。
まだメルカリを行ったことがない方は、「WFWZFT」の招待コードを入力するとポイントが貰えるので、この機会に始めてみてください。
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LEDライトでも育つ?
ピンキーは、LEDライトで元気に育ちます。
強光に長時間当てすぎてしまうと、日光と同じように葉焼けをしてしまい、長時間照射だけでなくライトと植物の距離が近すぎても葉焼けをおこすので注意しましょう。
葉の白い粉は何?
ピンキーに限らず、多くのアガベは葉の周りに薄っすらと「白い粉」のような物が付きます。
多肉植物にある白い粉は、果糖と呼ばれる蝋(ろう)物質の「ブルーム」や毛状突起の「トリコーム」で、強い直射日光や水分蒸発を防ぐ役割があります。
その為、しっかりと日光もしくはLEDライト下で管理すると、白く育てることができます。
葉が赤くなるのはなぜ?
アガベは、光や水などの原因で葉の根元や先端が赤くなることがあります。
何かしらの原因で防衛本能が働いた結果「アントシアニン」という物質が表面に出てくることが原因です。
アガベが赤くなる原因は下記でまとめているので参考にして下さい。
鋸歯を大きく育てたい
ピンキーは鋸歯が大きく発達するタイプではありません。
ですが、他のアガベの鋸歯を大きく育てたい方は下記の記事を参考にしてください。
▶鋸歯を大きく育てる方法 | ▶鋸歯の種類や部位名称 |
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