こちらの記事では、アガベチタノタの鋸歯(副棘・ノギ)を大きく・厳つく・太く育てる管理方法についてまとめています。
鋸歯の主成分などを解説しているので、アガベの鋸歯を立派でワイルドな強い見た目に成長させて育てたい方は、ぜひ参考にしてください。
アガベの鋸歯とは?
葉の先端にある棘
アガベの鋸歯(きょし)とは、葉の先端から生えている棘状の部分を指します。
おおまかに鋸歯と言っても、部分ごとの名称が付けられており「副棘・ノギ・連棘・裏棘・トップスピン」などがあります。
鋸歯の色は、黒・白・茶色などがあるので、詳細は下記をご覧ください。
鋸歯(棘)の役割・何のためにある?
▼1、食べられにくくするため
アガベの鋸歯(棘)は、サボテンでいう所の棘と同じ理由で発達したと考えられています。
アガベやサボテンなどの多肉植物は、体内に多くの水分を含んでおり、乾燥地帯において動物の貴重な水分元になります。
そのため、簡単に食べられないための防衛として「棘」を発達させたと言われています。
▼2、蒸散を防ぎ水分を集める
鋸歯には、蒸散を防ぎ水分を集める役割もあります。
アガベやサボテンなどの乾燥地帯に自生している植物は、葉から水分が発散しないように葉の一部を棘に変化させた説があります。
また、サボテンの中には、棘から水滴を吸い上げる構造になっている品種があるため、アガベも水分を無駄にしないように棘を進化させてきたのでしょう。
アガベの鋸歯を大きくする方法
鋸歯が大きく太く育てる要素一覧
- 親の遺伝子
- 光に長時間当てる
- 水やりにメリハリをつける
- 乾きやすい用土を使う
- サーキュレーターで風を当てる
アガベの鋸歯サイズを大きく・太く・厳つく育てるには、上記の要素がポイントとなります。
鋸歯を大きくするためのポイントを下記で解説してきます。
1、親の遺伝子
まず初めに、アガベの鋸歯の大きさや太さは、親の遺伝子によってほぼ決まります。
そのため、まずは自分が理想とする鋸歯の大きさ・太さ・長さに育つ品種を選ぶことが重要です。
2、光に長時間当てる
次に鋸歯を大きくする管理方法ですが、第一のポイントが光に長時間当てることです。
夏の直射日光のような強い光を当てなくても良いので、一年中安定して光を浴びせて光合成を促すことが大事です。
▼アガベを3ヶ月間実験
アガベを3ヶ月間、厳しい環境で育てる実験をしてみました。
実験前と実験後では別物にも見えますが、右上の鋸歯のうねりや右葉の枯れなどを見てもらえれば、同一かと分かるかと思います。
鋸歯を大きくする実験としては、育成LEDライトを使って毎日5万ルクス程度の光を12時間ほど浴びせ、2日で乾く鉢で1週間に1回の水やりで管理しました。
締めすぎた気もしますが「悪魔くん」や「ハデス」のような、荒々しく厳つい鋸歯に成長しました。
▼冬場の光管理
冬場にアガベを室内管理する方は、そのまま成長させ続ける方や休眠させる場合でも、しっかりと光を当てて越冬できるかが重要です。
休眠中のアガベとはいえ、完全に眠っているわけではなく、春先に向けてエネルギーを蓄えています。
そのため、冬場にしっかりと光に当てられていると、翌シーズン展開する葉が短葉かつ肉厚になり、鋸歯が大きく際立つようになります。
3、水やりにメリハリをつける
アガベは、葉の水分保有量と根の吸水量が多いと徒長しやすく、葉が徒長して長くなると鋸歯が目立たなくなって小さく見えてしまいます。
水やりの間隔を開けることで、葉の蒸散量を減らすよう徒長を抑えて、鋸歯を大きくするエネルギーに使うように管理させましょう。
丸葉かつ短葉で、大きな鋸歯にするには「植物に生命の危機」を覚えさせると良いでしょう。
4、乾きやすい用土を使う
上記の水やり頻度を調整しても、用土によって乾くタイミングが変わってきます。
室内管理の場合は乾くのが遅いため、いつも使っている用土に軽石を多めに混ぜて乾きやすい土を使うと良いでしょう。
5、サーキュレーターで風を当てる
アガベのような多肉植物にとって、風通しはとても重要です。
アガベに風を当てて、ストレスを与えることで植物を太らせる効果があり、伸長を抑制して葉が横にが太くなるように成長を促すことができます。
植物は、外部からの接触(ストレス)を受けると免疫システムが活性化し、本来は成長に使うはずのエネルギーを消費してしまい、成長が抑制される仕組みです。
短葉低重心の株にしたいという方は、小型のサーキュレーターを24時間当てておくようにしましょう。
アガベの鋸歯の成分
鋸歯は何で構成されている?
アガベの鋸歯(棘)の成分は、一見カルシウムやケイ酸などに思えますが、「セルロース・ヘミセルロース・ペクチン・リグニン・ケルセチン」などの成分で出来ています。
鋸歯の主成分はセルロースで出来ており、セルロースは酸素・水素・炭素からなる化合物です。
▼セルロースとは?
セルロースとは、グルコース(ブドウ糖)が直鎖状につながった多糖類です。
地球上で最も豊富に存在する有機物であり、植物によって水と二酸化炭素、光合成によって作り出されており、古くから紙、綿として利用されています。
鋸歯ができる過程
つまり、アガベの鋸歯が出来るには「(水・二酸化炭素・光合成)→ブドウ糖→セルロース→鋸歯」という構図になります。
二酸化炭素の操作は難しいですが、水や光合成は人為的に出来ることなので、植物や用土の状態を観察しながら水やりや光量の管理すると良いでしょう。
鋸歯を大きくする方法まとめ
アガベの鋸歯を大きくする方法についてまとめてみました。
鋸歯の大きさや厳つさなどは遺伝的な部分が強いですが、上記で解説した鋸歯の育て方を参考に、立派な良い形のアガベを作り上げてください。
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