こちらの記事では、アガベの「子株・カキコ・ベアルート」の発根管理方法や発根率を上げるやり方を解説しています。
初心者でも簡単に「水耕栽培・土耕栽培・水苔栽培」ができるように、発根させるコツや注意するポイントをまとめているので参考にしてください。
アガベの発根管理
アガベの子株・カキコとは?
まず初めにアガベの「子株・カキコ」について解説します。
アガベを育てていると、親株の根元から出た子供の株を子株と言い、子株を取った状態をカキコと呼ばれています。
親株から子株を切り離した時期によって、カキコに根が付いていたり付いていなかったりするので、下記でそれぞれの発根管理方法を紹介します。
▼発根管理前に殺菌消毒する
自分が所有している親株から切り離したカキコは安全性が高いですが、輸入や通販サイトなどで購入した株は虫やカビ菌など付いている可能性が高いです。
発根管理中に害虫や病気による被害もあるので、発根管理前にしっかりと殺菌作業を行いましょう。
アガベのベアルート株とは?
アガベの「ベアルート」とは、根がむき出し状態になっている株や根が全て切られて無い状態の株を言います。
「親株を土から抜いた状態」「子株を切り離してカキコに根が付いている状態」「輸入して根がついている状態」などを、ベアルート株と一括りにできます。
▼ベアルート株の発根管理が必要な理由
ベアルート株に「根があるならそのまま植えたら良い」と思う方がいるかと思いますが、輸入した株などの大半は、根が完全に乾燥して死んで木質化している状態なので、カットして発根管理を行う必要があります。
死んだ根が付いたまま土に植えると、水を吸うことができないので根腐れを発症しやすくなります。
アガベの発根管理は簡単?
アガベの発根管理は比較的簡単で、子株を取ったカキコやベアルート株も、適切な処理を行えば簡単に根が出ます。
アガベの発根管理が初心者の方は、発根するか不安になるかと思いますが、発根しやすくなるポイントなどをまとめているので参考にして下さい。
アガベの発根のさせ方
アガベの発根管理方法一覧
- 水耕栽培
- 土耕栽培
- 水苔栽培
アガベの発根管理は、主に「水耕栽培・土耕栽培・水苔栽培」の3種類の方法があります。
水耕栽培
水耕栽培とは、アガベの根を水に浸けて発根させる方法で、メリットとしては発根状態をいつでも確認できる一番簡単な方法です。
根や下葉が茶色くなっていたり、腐ってきている場合など、すぐに対応できるので初心者におすすめです。
ですが、常に水に付けているので「根腐れ」の可能性が高まるため、定期的に水を変える必要があります。
▼水温は15~25度を目安にする
アガベを水耕栽培で発根させる場合は、水温を15~25度前後に調整すると発根しやすいです。
水温が低すぎると発根しにくくなり、水温が高すぎると根がふやけてダメージを与えてしまいます。
▼水耕栽培が一番発根しやすい
他の発根管理方法も結局の所は水を使う必要があるので、個人的には水耕栽培が最もアガベが発根しやすく感じます。
水で発根管理をするので、土耕や水苔より雑菌の繁殖を抑えられ、発根促進剤の成分を安定して与えることが出来るからです。
土耕栽培
土耕栽培とは、アガベを土に植えて発根させる方法です。
土耕栽培のメリットとしては、水耕栽培から土耕栽培に移行させた時に、根へ負担が少ない分、成長が早くなります。
▼初心者は水で発根管理がおすすめ
アガベを育て初めて間もない方は、根の成長速度が分かりやすい「水耕栽培」がおすすめです。
土耕栽培は植物にとっておすすめですが、鉢内の水分量・乾くタイミング・風通しの管理方法を理解しておかないと、数ヶ月発根しないこともザラにあります。
▼無菌土がおすすめ
発根中の株は菌に対する免疫力が弱いため、発根管理に使用する土は無菌の(腐葉土などの有機物が入っていない)土を使用しましょう。
無菌にする方法としては、「土に熱湯をかける」「殺菌剤にドブ漬けする」などがあります。
園芸業者の方は、大量の株を他の発根管理方法で行うと植え替え作業の手間がかかるため、土耕栽培一択となります。
水苔栽培
水苔栽培とは、土耕栽培と同様に水苔に植えて発根させる方法です。
土耕栽培より乾燥状態が分かりやすく、初期段階の発根率が良いので、水耕栽培と土耕栽培の良い所取りのようなイメージとなります。
注意点としては、根が伸びすぎると水苔の間に絡み合って抜く時に根を痛めてしまう可能性があるので、ある程度成長したら土耕栽培に移しましょう。
▼水苔
水耕栽培で発根管理する方法
1、古根と下葉を処理する
アガベの水耕栽培をする際は、まず初めに古い根と枯れた下葉を取りましょう。
株の大きさによって、古い根を1~3cmほど残すと植え込み後に株がズレるのを防げます。
▼古い根を全て除去しても良い
古くなった根は、茶色に変色して中身がスカスカ・フニャフニャになっています。
死んだ根は、水分補給が出来ずに「腐る要因になるだけ」といっても過言ではないので、雑菌を繁殖させたくない方は全て除去しましょう。
2、根元の成長核を露出させる
ベアルート株の話になりますが、根元の成長核(白い中身)が木質化している場合は削って成長核を露出させると発根しやすいです。
事前にカッターやナイフなどを、必ず殺菌消毒してカットを行いましょう。
3、殺菌消毒する
上記の、古根や下葉の処理、成長核の露出を行うと必ず傷口ができるため、殺菌消毒を行いましょう。
「ベンレート」や「ダコニール」の粉剤をまぶすと、殺菌と同時に濡らすことなく乾燥させやすいのでおすすめです。
▼ベンレート
▼ダコニール
4、乾燥させる
殺菌消毒した後は、このまま植えても大丈夫だと思いますが、傷口からの腐りが起きないように、風通しの良い日陰に1~3日置いて乾燥させましょう。
人間に例えるとカサブタ作りとなり、水の中に菌が発生した際の免疫力となります。
日陰で管理するのが良い理由としては、根が発達していない弱い状態で直射日光に当ててしまうと、葉焼けの原因や過剰に乾燥してしまうからです。
▼サーキュレーター
サーキュレーターで24時間365日、風通しを良くしておくと根腐れのリスクを下げられます。
5、発根促進剤を入れた水に浸ける
水耕栽培を行う際は、発根促進剤(活力剤)の水溶液「HB-101」や「メネデール」を、水に混ぜると発根するまでのスピードが上がります。
原液の場合は、希釈して濃度を薄くしましょう。
水に浸ける時の重要なポイントとしては、葉と葉の間に水が入ると腐る原因となるので、根元1cmほど水に付けるのがおすすめです。
▼HB-101
▼メネデール
6、遮光する
アガベの根は光を嫌うため、水耕栽培時は日陰で管理するのがおすすめです。
ですが、絶対にダメというわけでもないので、株の大きさや環境に合わせて遮光をしましょう。
7、定期的に水替えをする
夏場などは特に水が傷んで腐りやすいです。
株へ腐りが入らないように1~2日おきに水を変えて、その都度「発根促進剤」を希釈して入れましょう。
8、土耕栽培へ移す前に乾かす
根が5cm以上に伸びたら、土での発根管理にしましょう。
ずっと水耕栽培をしていると、土耕栽培に移した後は水が足りずに拗れる可能性があるので、長期間水耕栽培をしないほうが良いです。
▼水揚げ後は乾かす
根を水から出した後は半日から1日ほど乾かすと、土に植えた時に根が傷つきにくくなります。
9、土に植える
株の大きさにもよりますが根元から1~3cmほど葉を埋めましょう。
土に乗せているだけでも良いですが、あまりグラグラしていると根にストレスがかかるので注意が必要です。
▼発根管理に使用する土
発根管理に使う土は「赤玉土」のみで良いです。
それだけでは物足りないという方は「赤玉土・軽石」に加えて、少量の「肥料(マグァンプK)」を混ぜ合わせると良いでしょう。
▼赤玉土
▼マグアンプK (マグァンプK)
10、水やりをする
水耕栽培から土耕栽培にした後は、最初のうちは水を欲するのですぐに水やりを行って良いです。
今まで常に水を吸収できる状態にいたので、徐々に水断ちをしていきましょう。
土に植えた後の水やりは「株の大きさ・根の状態・葉の状態・栽培環境」などと相談して行うと良いでしょう。
11、15〜30℃の日陰で管理する
根が完全に成長していないので、「15〜30度」の温度で管理していると発育が良くなります。
冬場など10℃以下になると、発根速度が遅くなるので「温暖マット」などで温めると良いでしょう。
注意するポイントとしては、根が発達していない状態で強い光に当てるのは、葉焼けだけでなく株の体力を奪ってしまうので気をつけましょう。
▼植物ヒーターマット
土耕栽培で発根管理する方法
1、古根と下葉を処理する
アガベの土耕栽培をする際は、まず初めに古い根と枯れた下葉を取りましょう。
株の大きさによって、古い根を1~3cmほど残すと植え込み後に株がズレるのを防げます。
下葉は、殺菌消毒したハサミで葉の中心から半分に切るとちぎって取りやすいです。
2、根元の成長核を露出させる
ベアルート株の話になりますが、根元の成長核(白い中身)が木質化している場合は削って成長核を露出させると発根しやすいです。
事前にカッターやナイフなどを、必ず殺菌消毒してカットを行いましょう。
3、殺菌消毒する
上記の、古根や下葉の処理、成長核の露出を行うと必ず傷口ができるため、殺菌消毒を行いましょう。
「ベンレート」や「ダコニール」の粉剤をまぶすと、殺菌と同時に濡らすことなく乾燥させやすいのでおすすめです。
▼ベンレート
▼ダコニール
4、乾燥させる
殺菌消毒した後は、このまま植えても大丈夫だと思いますが、傷口からバイ菌が入って腐りが起きないように、風通しの良い日陰に2~3日置いて乾燥させましょう。
人間に例えるとカサブタ作りとなり、土壌内の菌や蒸れの抵抗力となります。
日陰で管理するのが良い理由としては、根が発達していない弱い状態で直射日光に当ててしまうと、葉焼けの原因や過剰に乾燥してしまうからです。
▼サーキュレーター
サーキュレーターで24時間365日、風通しを良くしておくと根腐れのリスクを下げられます。
5、発根促進剤を付ける
乾燥させて土に植える前に、発根促進剤の「ルートン」を根元に付けておくと発根までのスピードが上がります。
ルートンは粉状なので、成長点に吸着するまで半日から1日ほど水をかけないようにしましょう
発根促進剤はおまけのようなものなので、必須ではないです。
6、土に植える
根がない場合は土にくぼみをつけて、株の大きさにもよりますが1~3cmほど埋めましょう。
土に乗せているだけでも良いですが、あまりグラグラしていると根にストレスがかかるので注意が必要です。
▼発根管理に使用する土
発根管理に使う土は「赤玉土」のみで良いです。
それだけでは物足りないという方は「赤玉土・軽石」に加えて、少量の「肥料(マグァンプK)」を混ぜ合わせると良いでしょう。
▼赤玉土
▼マグアンプK (マグァンプK)
7、水やりをする
土に植えた後は、すぐに水やりを行っても良いですし、数日開けて水やりをしてもいいです。
水をあげると発根が早くなりますが、反比例して根がないので根腐れの可能性が出てきます。
そのため、土に植えた後の水やりは「株の大きさ・根の状態・葉の状態・栽培環境」などと相談して行うと良いでしょう。
8、15〜30℃の日陰で管理する
アガベは「15〜30度」の気温で管理していると発根が早くなります。
気温が10℃以下台になると、発根速度が遅くなるので「温暖マット」などで温めると良いでしょう。
注意するポイントとしては、未発根の状態で強い光に当てるのは、株の体力を奪ってしまうので気をつけましょう。
▼植物ヒーターマット
9、土耕栽培の水やりタイミング
土耕栽培は、腰水で常に水を与えている状態でも、土の表面が乾いた時にたっぷりあげる方法でも良いです。
この時期は根を出すことが重要なので、土の中が乾ききらないようにした方が良いです。
10、土耕栽培の発根を確認する方法
- 葉が展開してくる
- 用土の表面が盛り上がる
- 引っ張り出す
土耕栽培で発根確認するには、上記の方法があります。
ですが、株を引っ張ってグラグラしないか確認するのは、根にストレスがかかるので最低でも2~3週間おきにしましょう。
根が出ていれば葉が展開してくるので、初期状態の株を写真で取って観察しながら水やりを続けると良いでしょう。
11、土耕栽培で発根した後の管理
土耕栽培で発根した後は、徐々に品種に合った水やりのスパンにしていくと良いでしょう。
毎日の水やりから、1日おきに水やりを1週間続けてから2日おきに水やりを1週間続けるなど、少しずつ環境を変えることで適応していきます。
よくある質問
根が茶色くなった場合
アガベの根が茶色になった場合は、古い根が溶けていたり、腐ってきていることがあります。
もし根が茶色くなったら、根を乾燥させてから発根管理をしましょう。
鉢の大きさはどのぐらいが良い?
発根管理に使う鉢は、水はけがよく用土内が乾きやすいサイズがおすすめです。
根が無かったり少ない状態で、鉢が大きくて土が大量にあっても、水分が残って蒸れの原因となります。
根が生えてくるまでは小さな鉢で管理して、根が回るようになってきたら大きな鉢に移しましょう。
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