【サボテン】黒王丸の育て方や増やし方|水やり・適正気温・種まき【コピアポア・観葉植物・多肉植物】

こちらの記事では、サボテンのコピアポア・シネレア「黒王丸(こくおうまる)」の育て方(栽培方法)や、特徴についてまとめています。

黒王丸の分類や学名などの基本情報や、「自生地となる原産国・生育タイプ・適正気温・水やり頻度」など解説しているので、参考にしてください。

黒王丸の基本情報

黒王丸の分類や学名

分類 ・サボテン科 コピアポア属
学名 ・Copiapoa cinerea (コピアポア・シネレア)
和名 ・黒王丸(こくおうまる)
自生地 ・チリ北部の沿岸部:アタカマ砂漠
生育タイプ ・夏型
適正気温 ・20~35℃
水やり※1 春夏秋:土が乾いて5~10日に一度
:10日~2ヶ月に一度
成体の大きさ※2 ・10~20cm
好む光量※3 ・50,000~150,000ルクス
受粉方法 ・他家受粉
  • ※1:地域や環境(鉢・用土・風通し・照度)によって変動
  • ※2:日本実生~現地株
  • ※3:光量が足りないと徒長し、光量が強いと葉焼けする

 


植物の分類法【目・科・属・種】とは?

  • 界(かい):植物であるという意味で、植物か動物かという最上位の区分
  • 門(もん):植物は裸子植物か被子植物のどちらかに分類され、植物であればどちらかに該当する
  • 綱(こう):単子葉植物か双子葉植物の違いで、芽が1枚で出るか双葉で出てくるかの違い
  • 目(もく):植物は必ず分類されており、二つと同じものは無い
  • 科(か):植物の種類が似た形になり、人間に例えると親戚に当たる
  • 属(ぞく)・種(しゅ):人間に例えると名字や名前

植物は上記の分類法で、界から属まで細かく別れています。

更に、異種のものを組み合わせた植物は「ハイブリッド(hybrid)」と言い、和語や漢字にする場合は「かけあわせ」、「交配」、「雑種」、「混血」、「まぜあわせ」、「混成」などといった言葉になります。

 


黒王丸とは何?

黒王丸の特徴

現地球 国内実生

黒王丸(こくおうまる)」とは、サボテン科コピアポア属に分類されています。

猛暑となるチリ北部に自生しており、青白い粉が吹いたような肌と黒色の太い棘(トゲ)を持っており、稀に白棘が生えたり、多種とかけ合わせた茶色など様々なタイプがいます。

 

黒王丸の希少価値・相場価格

希少価値 相場価格
現地株 ★★★★ ・5万円~
国産株(実生株・カキコ) ★★★★★ ・5,000円~

※株の大きさや販売場所によって変動

▼黒王丸の現地株

黒王丸の現地株は、超特別に希少性があるわけではないですが、人気品種でコアなファンが多いため高値で売買されています。

また、形がボール状の球体で大きいほど美株とされており、値段が上がる傾向にあります。

▼黒王丸の国産株

黒王丸の国産株はそれなりに流通しており、5cmほどの大きさで5000円~ほどの価格で売買されています。

ですが、結局は現地株が欲しくなる傾向が強いため、現地株の価格上昇に繋がっています。

 

黒王丸の自生地(国)

「黒王丸」は、南アメリカ大陸西岸にあるチリの北部にある標高数百メートルのアタカマ砂漠付近に自生しています。

アタカマ砂漠は年間降雨量が少なく、過酷な乾燥地域で強い日差しと乾燥を耐え抜いて生きています。

水分補給は、太平洋からの霧とアンデス山脈の雪解け水を取り込んで、体内に吸収しているのではないかと言われています。

 

黒王丸の成長速度

「黒王丸」の成長は遅く、1年間で1~2cmほどの成長速度です。

生育スピードが遅いので、水やりや日光対策を怠ると株が徒長する原因となるので注意しましょう。

 

黒王丸の育て方・管理方法

生育タイプ

「黒王丸」は夏型タイプですが、日本の真夏の東日は非常に強いので、日焼けするリスクがある点に注意しましょう。

屋内管理から屋外管理に移行した際は、最初の1~2週間は遮光ネットなどで徐々に日差しへの耐性を付けていくと、日焼けする可能性を下げられます。

 

必要な光量・置き場所

「黒王丸」は年間を通して、日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。

黒王丸は他のサボテンと比べても、強い光に耐性があるので屋外管理で育てることが可能です。

▼日焼け対策

  • 置き場所を変える時の光量差に気をつける
  • 徐々に光線の強度を上げる
  • 夏場は環境に合わせて遮光する

日焼けや徒長対策を行う際は「照度計(光度計)」があると便利です。

最低でも10万ルクス以上計測できる測定器を選びましょう。

 

水やりのタイミング・与える量

成長期の「黒王丸」の水やりは、株の大きさにもよりますが鉢の中の土(表面のみ×)が乾いて5~10日前後にあげるのがベストです。

ですが、夏場などは蒸れる可能性を含めて、もう少し期間を開けたり、冬場の休眠期は水を吸収しにくいので1~2ヶ月の間、水をあげなくて良いです。

▼水やりは地域によって違う

「黒王丸」だけでなく、ほとんどのサボテン(観葉植物)に言えることですが、水やりのタイミングは「育てる環境の場所(日当たり・風通し・気温)」、そして北海道や沖縄などの地域によって変化します。

鉢内の水分量が心配な方は、鉢に割り箸など差して湿っていないか確認しましょう。

私は「散水チェッカー」を使って、どのぐらい水分が残っているのか確認しています。

▼水やりのポイント

「黒王丸」に水を与える時のポイントは、鉢底から水が出てくるまでたっぷりあげましょう。

水を上げる時はたっぷり、水を与えない時は1ヶ月放置と緩急を付けることによって、現地株と似た環境を作ることが出来ます。

▼サボテンの頭(綿毛)に水をかけない

サボテンの頭(頂点)に生えている、綿毛のような白いふわふわしている部分(棘座・しざ)に、水はかけないようにしましょう。

日本のように湿度の高い環境では、刺座に水をかけるとカビの原因となります。

▼霧吹きは不要

基本的にサボテンには霧吹きは不要で、乾燥気味に育てるのが重要です。

霧吹きをすることによって土が乾きにくくなり、根腐れの原因となるので注意しましょう。

 


枯れや根腐れの原因と対策

サボテンが枯れたと言われる原因のほとんどが、鉢内の土が蒸れることによる根腐れです。

ほとんどの根腐れとなる原因は、「水のやりすぎ」「風通しが悪い」「土が乾かない」です。

つまり、根腐れの対策として常に風を循環させておくことが重要なので、扇風機やサーキュレーターで24時間、風を当てておくのがおすすめです。

 

おすすめの用土

上記の水やりや風通しをしっかりしていても、用土によって良くも悪くもなります

サボテンは、鉢内に水が溜まって蒸れると根腐れの原因となるので、水捌けの良い土に植えるのがおすすめです。

土の配合が良くわからないという方は、まずは観葉植物用の土に植えてあげましょう。

▼観葉植物や多肉植物におすすめの土

サボテンが子株のうちは保水性が重要となるので、種まき用の保水力が高い用土がおすすめです。

▼種まき向けの用土

 


おすすめの肥料

「黒王丸」には、緩効性の肥料を用土に混ぜ込んでおき、生長期は1ヶ月に1~2回ほど液体肥料を与えるのがおすすめです。

▼マグアンプK (緩効性肥料)

 

▼ハイポネックス (液体肥料)

 

植え替え(鉢変え)の時期・タイミング

「黒王丸」の植え替えは、生育が活発になる春や秋がおすすめです。

逆に夏場は根を痛める可能性があり、冬場に休眠する品種は新しい土に慣れずに枯れてしまう可能性があります。

▼植え替えのタイミング

サボテンは植え替え時に弱りやすいので、1~2年に1回の植え替えがおすすめです。

植え替えをする際は株のサイズにもよりますが、本体から1~2cm大きいサイズに植え替えするのがベストです。

▼根の状況で鉢のサイズを変える

もし「接ぎ降ろし」や「子株(カキコ)」など、根っこが未熟なうちは吸水力が弱いので小さめの鉢にしましょう。

根っこが少ない状態で、鉢内の水分量が多いと根腐れの原因となるので注意しましょう。

 


黒王丸の増やし方

  1. 他家受粉
  2. 子吹き(カキコ)
  3. 芯をえぐる (?)

「黒王丸」は自家受粉しないと言われており、他家受粉で増やす方法が一般的で、別の個体の雄しべと雌しべが必要です。

また、親株の根元から子吹きをするので、子株を切り取り「カキコ」として増やす方法があります。

その他に、玉サボテンは芯をえぐると子吹きする習性があるので、黒王丸も同様に芯を抉ると増える可能性があります。

 

種まき(播種)のやり方・おすすめの時期

▼黒王丸の種まきのやり方

コピアポア属のサボテンは発芽しやすいので、一般的な種まきのやり方で行いましょう。

注意点として、発芽後の1年間は日焼けしないように、適度な遮光場所がおすすめです。

▼黒王丸の種まき時期

黒王丸の種まき時期は、他の観葉植物同様に「春や秋」など気温が落ち着いている時期がおすすめです。

▼苗ポット

この苗ポットは、1個12穴付きで使い勝手が良かったです。

ポット上部にある通気孔を調整して、湿度を簡単に変えられる優れた苗ポットなのでおすすめです。

 

黒王丸のよくある質問

黒王丸の耐寒性は?

黒王丸の自生地は温かい地域なので、耐寒性はあまりないと考えられるため、他のサボテン同様に「5℃以下」になるのは避けましょう。

屋外管理などで0度以下になると、凍結して根っこが凍死する可能性があるので注意が必要です。

 

黒王丸の耐暑性は?

黒王丸の耐暑性は、他のサボテン同様に「35℃以上」になるのは避けましょう。

特に、水やりをした後に気温が35℃を超えた状態で日光が当たると、水温は40℃を超えていると考えた方が良いです。

観葉植物は小さな容器に入れることが多いので、熱の逃げ場が無く鉢内温度が上がるので注意しましょう。

 

黒王丸の現地株と実生株の違い

現地球 国内実生

画像を見れば一目瞭然ですが、現地株(海外輸入品)は青白い粉を吹いたような見た目をしています。

それに比べて実生株(国内栽培品)は、濃い緑や少し黒っぽい黒王丸などがあります。

大半は育成環境によるものがありますが、実生株は交配していく中で別種のサボテンと混ざり合わせたりもしているので、多少色合いが違います。

もちろん、輸入代や希少性などの観点から見て「現地株」の方が高値で売買されています。

 

黒王丸の綴化・石化

綴化 石化

希少価値の高い黒王丸が「綴化(クリスタータ)」、「石化(モンストローサ)」している個体です。

黒王丸は、綴化や石化することがあまりなく、とても珍しいです。

 

黒王丸はなぜ高い?

「黒王丸」が高価なのは成長速度が遅く、流通量が少ないため価格が高騰化しています。

また、サボテンの中でも太く漆黒の棘がかっこいいなどの需要があり、現地株などは5~50万円ほどします。

国内実生の「黒王丸」は、Amazonなどで購入できるので、興味のある方は是非購入してみましょう。

 

▼メルカリでも購入可能

「黒王丸」の現地球は、メルカリなどでも販売されています。

まだメルカリを行ったことがない方は、「WFWZFT」の招待コードを入力するとポイントが貰えるので、この機会に始めてみてください。

WFWZFT

 

LEDライトでも育つ?

黒王丸は、LEDライトでも元気にに育ちます。

ですが「黒王丸」は、強い日光を好むため高出力なLEDライトが必要なので、LEDライトを使わない方はしっかりと日光を浴びさせた方が良いでしょう。

 


LEDライトで葉焼けする?

強い光量を好む「黒王丸」でも葉焼けをします。

強光に長時間当てすぎてしまうと、日光と同じように葉焼けをしてしまい、長時間照射だけでなくライトと植物の距離が近すぎても葉焼けをおこすので注意しましょう。

 

白くする方法(白く育てたい)

黒王丸の実生株でも、現地株に似た白肌に育てることができます。

多肉植物にある白い粉は、果糖と呼ばれる蝋(ろう)物質の「ブルーム」と言い、ブルームは強い直射日光や水分蒸発を防ぐ役割があります。

その為、しっかりと日光もしくはLEDライト下で管理すると、白く育てることができます。

 


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